火
金色の粒が目玉のようにおっこちてきて
あれはなんだろう
歩いている人間の顔のなかにずぶずぶと沈んでゆく
道路には蛍光のオレンジのドットが一面に浮かんで
そこを透明に人々がすけながらとおりすぎていた
午前4時
地平線には文字がいつまでも沈まない太陽のようにしろくひかって
ブルーシートを広げて横たわると空に落ちそうになるのでこわかった
オレンジのくまのぬいぐるみに砂をぎゅっぎゅってつめながら
きみたちがあきらめてさがすのをやめてしまったもの
みえないというだけであきらめちゃいけないものをさがして
息をしていない爪をきらきらさせて
口をはんびらきにしながらいろんな言葉がいろんなところから
わいてでてくるのをじっとみて
ここがもう今この瞬間からどんどん過去になっていくのを
はがれたりくずれおちたりする肉体の輪郭を懸命に保ちながらすきだった
絶対に希望をうしなったりしないでいればいいだけだった
オーロラのしたによこたわりながらこわかったとても